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2016年7月

2016年7月18日 (月)

古墳の境地


埼玉古墳群に来たので、このアングルをやらねば。二子山古墳を前にして。


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アリス

アリス=紗良・オットのピアノ・リサイタル。その攻めている感のあるフライヤーと、カノンの楽想《フランク:ヴァイオリン・ソナタ》を重ねる。


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モーツァルトの企み ブラームスの極み バッハの精神


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エステラ・カルテットの演奏会を聴きに館林にある正田醤油の文右衛門ホールへ。国登録有形文化財の木造建築・平屋建て。梁のトラス構造が美しく、天井窓からは空が見える。照明はキュビスム風でホールを照らす。

カルテットは、モーツァルトのアダージョとフーガ ハ短調を冒頭に演奏した。モーツァルトの主たる調の多くは長調である一方、短調の中にモーツァルトの真意が隠されている、いわゆる思想的な側面が含まれているのではないかと考えられている。交響曲第25番や40番のように。この音楽はモーツァルトを表象する爽やかさや軽快さは影を潜めている。厳格さや、あたかも暗みからの光といった後のベートーヴェンに通じる動的なモチーフも感じられた。2つのヴァイオリンとヴィオラ、チェロによって交わり合うアダージョとフーガ。この原点は明らかにバッハやバロックを意識したもので、交響曲第41番にその極致を見るポリフォニックな様相を呈し、対位法的技法によって構成されている。2つのヴァイオリンが歌い、低弦が呼応する。温かな対話ではないが、重い中にある実に洗練された会話の内容であるように思われた。冒頭...の音楽から、凄みを感じた。

続く、モーツァルトの弦楽四重奏曲第14番ト長調。ハイドン・セットの一つであり、ハイドンに対する敬意を軽快に奏でた名曲であることは演奏会前に予想はしていた。実際にハイドンも耳にしていたと言われる。アダージョとフーガが祈りや敬虔なる意識を込めたバッハのシャコンヌのようであるとすれば、この曲は全体の揺るぎない調和を目指したものである。調性もモーツァルトの音楽的感性を生かす上で適したものであり、各所に新たな試みや作曲家自身の原像のような音がひしめき合っている。客席の私の位置からはチェロがよく目にできたために、冒頭のアレグロ・ヴィヴァーチェから、全体の中でのチェロがヴァイオリンをいかに支え、躍動感ある響きをいかに演出するかという点が興味深く感じられた。第2楽章と第3楽章では各パートのユニゾン形式が多用され、推進力が加わる。ヴァイオリンの高らかに歌う中にチェロが力強く基礎部を固め、あたかも第2ヴァイオリンとヴィオラが建築の梁や柱を造成するかのようである。最終楽章のモルト・アレグロは、これはソナタ形式の総合やポリフォニックの流れとも称されるほどに、ジュピター交響曲に集約されるであろうバッハからの水脈上にある決然とし更に緻密な構成美によって曲が彩られていた。カルテットでのこの曲は温和な対話をしながらも、一筋縄ではない対話として印象付けられるものであった。

最後に、ブラームス弦楽四重奏曲第2番イ短調。ブラームスの労作であり、ロマン派音楽の印象を濃くした秀作。ともあれ、この難曲が身近な場所で耳にできるのは驚異的であると言わざるを得ない。同名1番との双生児的な曲であり、この前者がベートーヴェンらしくある内容に対して、2番はあくまでシューマンから引きついだ曲想の趣向を全体像としながらも、バッハ回帰の意識が顕著として表れている。第1楽章の主題となる4つの音階AFAEは、ブラームスの「自由にしかし孤独に」の音名に由来する。第1ヴァイオリンの推進力に低弦が呼応し、優雅さも含む中で細部に至る硬さが美と化し、全体を通して融合と調和に満ちた演奏となっていた。チェロの響きは憂愁の奏でとなり、時には活発となり、緊張感が漂う中に強い存在感を讃えている。アンダンテからメヌエット・モデラートの楽章にもブラームスの後姿が見え隠れする。そして熱情の彼方へと旅に出るかの如く力強く終結を迎えた。まだこれからの修練に臨みたいとの意向を耳にしながらも、素晴らしい演奏であった。

星形(エステラ)の手作りのお菓子とともに。アンコールの最後は上州や我らが北武蔵人の気持ちを高揚させる八木節で盛り上げ、猛暑日の演奏会は終了した。












2016年7月17日 (日)

レモンロール

祇園祭に行ったことがないが、毎日この季節になると関東一の祇園の仕事が増える。京都に行かずも、イノダコーヒーにより行った気分に。レモンロール。昨今、レモン系スウィーツが攻めに出ている。

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抹茶ロール


暑い熊谷から暑い館林に行き、演奏会の前の時間にコメダコーヒーに退避。なぜか夏といえば抹茶ロール。

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モンブラン


帰りの道草は、カフェドリッチで、モンブラン

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2016年7月10日 (日)

最後の一音まで


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真夜中に、天井をぼんやり見つめながら、バッハのシャコンヌ、ブラームス左手ピアノ版を聴いている。命がある限り、光を追い求めたいと思う。理想だけでなく、現実に着地させながら生きる意味を問う。祈りの曲は時折、私を悲愴的にさせながらも、苦悩の先に救いがあることを教えてくれる。悲劇的でもいい、緊張感に満ちていてもいい。私は歩み、いつか死を迎える日まで、最後の一音まで、私の中で響き続けていてほしい。










シャコンヌの響き 星川の祈り

熊谷ルネッサンス。星川と彫刻家の祈り。
J・S・バッハ《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調》のシャコンヌから熊谷での戦災慰霊を見つめた。北村西望と富永直樹。長崎と熊谷。それぞれの運命線が交わる星川。星川の水面にはシャコンヌが響いている。昨年、私は北村から富永に贈られた書籍を手にすることができ、実際に長崎にも足を運ぶ日常が訪れた。そして、私は《パルティータ第2番ニ短調》という題名の絵画を描き、同名の個展を開催した。個展ではヴァイオリニストの後藤典子さんにパルティータを演奏をしてもらった。シャコンヌの最後の一音までもが、絵の画布に沁み入るように響いていた。無伴奏ヴァイオリンであれ、ブゾーニやブラームスのピアノ版であれ、高度な技巧を要するチェロ版であれ、シャコンヌに込められた深い精神性は掛け替えない。私は鎮魂を意識し、シャコンヌを奏でるように、可能な限りの表現と語彙をもって、今回の文章を書いた。今までの熊谷ルネッサンスの中での一つの到達点なのかも知れない。それは小さな山塊のようなものに過ぎないが、私の歩みに意味を与えるための祈りであり、誰かの日常に灯される光となることを願う。

展覧会と熊谷ルネッサンスとの偶然性の結び付き。


パルティータからソナタへ。
シャコンヌからラルゴへ。
私の旅は続く。


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ラルゴ。細部に宿るもの。

《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ラルゴ》について。細部に宿らせたものは何か。当初から主眼を置いていた小さくも力強く光る魂。シャコンヌの旅から私が成長したこと、私が回顧したこと、私が未来に委ねること。これらの主題を交差させながら、暗闇からの光をいかに描くかに終始していたように思う。私の長らく続く基調色は青と黒である。昨今多用する格子と縦横斜めの線と曲線の構成が全体を支配する。青と黒と白の多層的な格子は、室内から室外を眺める構図の中にある。暗い部屋から外野を眺める。月が浮かぶ。絶望や不安の暗さから黄色が登場し、希望を意味する色となる。薄紅の群れも温かみを加える。レモンが月との対照をなす。十字架を中央上部に置く。そして、いつかこの絵の前でヴァイオリンが演奏されることを夢見ての配置。ラルゴは、暗闇から希望への祈りを示唆し、その想いを絵に込めている。

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無題からの想像

室野睦未《無題》
二科展入選作。
スカート色も合わせて、作者による解説。
会場には、個展でパルティータを演奏してくれた
バイオリニストの後藤典子さんもお越しになった。

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NPOとコーヒーハウス

地元タウン誌にNPOとコーヒーハウスについて書きました。ロバート・オウエンやキリスト教社会主義を関連付けながら、哲学や社会学など自分本来のホームグランドに立ち戻っての内容です。熊谷で発表するとは予想もせず、感慨深いものがあります。

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2016年7月 1日 (金)

ラルゴの旅


山下祐樹
《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ラルゴ》

ラルゴの旅。その苦悩と試行錯誤の変遷。

無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番ラルゴ。高みを目指す時は自由に奏でれば良い。落ち込んだ時、もう一つ音符を重ねて下支えし、更なる下降を抑える。時にはトリルを加えて低い場所から高い場所へと羽ばたく鳥のように。キャンバスを前にしながら、私なりの解釈を進めた。


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