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2015年12月

2015年12月31日 (木)

2015年の旅

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2015年を振り返る。千駄木での年越し、丸ビルでのパーティーに始まりイタリア旅を経て長崎へという歩み。怒涛のような1年間でした。絵画では、「彩美堂賞」と「第50回記念一期展佳作賞」を受賞するなど新たな一歩を踏み出すことができました。絵画展「パルティータ第2番ニ短調」では絵画と音楽の融合を企画し無事に終了。文化財関連では、引き続き埼玉新聞の熊谷ルネッサンスの執筆、愛染堂関連の進捗と尾高惇忠が記した奉納額との出会い、うちわ祭関連ではガイドブックの出版、うちわ祭大学の講師とテレビ生中継での解説、写真集『ふるさと熊谷』の執筆、星溪園も多面的に脚光を浴び、ヱビスビールのCMも。伝統芸能今昔物語も盛り上がり、彌生町屋台とE・S・モースの文化財指定とそれに向けての調査も貴重な経験でした。また権田愛三の紙芝居作成など先覚者についての知見を深めることも有意義な事柄に挙げられます。戦後70年ということで、熊谷空襲に関連する資料発掘も記憶に残る内容でした。そして、彫刻家、北村西望と富永直樹という師弟関係に触れたことも、私にとり重要で新たな扉を開いてくれたような気がします。書き記していないことも多々ありますが、色々な森に足を踏み入れたような感覚です。年度末に向けてまだまだ課題や宿題もあり、種々取り組まなくてはなりませんが、一区切りに備忘録を。今年は残念ながら予定していた哲学に関わる自著を出すことができませんでした。いずれ日の目を浴びるよう、虎視眈々と準備していきます。絵も文化財も研究も、地道に続けていけたらと思います。神が細部に宿る仕事であるよう。本年、多くの皆様にお世話になりました。今後とも宜しくお願い致します。















2015年12月30日 (水)

シンフォニア

二つのパルティータ第2番。
ハ短調とニ短調。シンフォニアとシャコンヌ。
深遠なる方向へと手を伸ばしたくなる。



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希望


パルティータ 第2番 ハ短調 BWV.826の美旋律を耳にしているうちに、19世紀の象徴主義画家ジョージ・フレデリック・ワッツの《希望》という絵を思い出した。盲目なのか目隠しをされた女性が、一本の弦しか残されていない竪琴を弾いているという物悲しく悲観的な絵のように見受けられるが、題名は「希望」なのだ。失望ではなく、希望なのだ。パルティータの響きとワッツの希望が結びついたことは偶然に過ぎないが、鬱的な状況に光を与えてくれるような気がしている。残された一本の弦が希望なのだ。一生は短い。生き急ぐように感じられたとしても、この歩みに希望を見出し、辿り着く場所を探し続ける。

クラヴィーア練習曲集《パルティータ第2番ハ短調 BWV.826》

バッハにはもう一つの著名なパルティータ第2番がある。それはクラヴィーア練習曲集の《パルティータ第2番ハ短調 BWV.826》。チェンバロやピアノから奏でられる、その冒頭の荘厳なシンフォニアが途轍も無く美しく、暗さの中に輝く淡い緑色のように感じられる。ハ短調。運命交響曲と同じ調べ。

 

Bach Partita No 2 C minor BWV 826 。この音楽も私を触発せずにはいられない。無伴奏ヴァイオリンのパルティータ第2番と好対照をなすように。元来、パルティータには、1.アルマンド(ドイツ系)、2.クーラント(フランス系)またはコレンテ(イタリア系)、3.サラバンド(スペイン系)、4.ジーグ(イギリス系)などの楽曲が含まれ、その発祥や由来は実に国際的な内容と要素を持つ。これに加えて、件のシャコンヌは一説には南米ペルーの舞曲から引用されたと言われている。これにシンフォニア、ロンドーなどのバリエーションが加わる。パルティータ 第2番 ハ短調 BWV.826は、次のような構成となる。1. シンフォニア 2. アルマンド 3. クーラント 4. サラバンド 5. ロンドー 6. カプリッチョ。この中で冒頭のシンフォニアにおける悲愴感が溢れ、その先に若干のテンポ加速の先に響く名旋律は文章によって表現し得ない程の美しさを有している。類稀な旋律の対比とすれば、無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードの印象的な旋律が明であるとすれば、これは暗であると言える。ハ短調は「破綻」の調と比喩されることがある。一筋縄ではいかない作曲者の狙いや企みが込められていることが多い。ベートーヴェンの第5交響曲や、これに影響を受けたブラームスの第1交響曲もハ短調の響きの森を醸成している。バッハの森に足を踏み入れる時、演奏者とは異なる向き合い方の中で、私の気が晴れることはないが、崇高なるものへの意識を持たざるを得ない。素描から始める。

 

https://www.youtube.com/watch?v=0qHcpQbtea0



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パルティータのジーグから

建築家のルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエであっただろうか。「神は細部に宿る」と語った。「神は賽を振らない」とするならば、人間が可能な限り細部を目指し努力する意味と価値はあるように思える。どのような立場であれ、どのような居場所であれ、どのような場面であれ。


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忘年会。うちわ祭打ち上げ。

J:COM熊谷の忘年会に参加させて頂きました。うちわ祭生中継の打ち上げを兼ねて頂き、仕事納めの日でありながら仕事納まらずでしたが、楽しい夜の饗宴でした。解説を担当したうちわ祭生中継の真夏から5ヶ月経ち真冬。懐かしくもあり、色々あった一年間に想いを馳せながら。スタッフの方々、シュフさん、山本絢女さん、川上綾香さん、保泉友美さん、根岸智子さん。熊谷地域を盛り上げる豪華な女性キャスター、リポーターの皆さんと共に。

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2015年12月24日 (木)

パルティータ第2番ニ短調からの道

「パルティータ第2番ニ短調」無事に終演しました。お越しくださった皆様、ご協力くださった皆様、ありがとうございました。「パルティータ第2番ニ短調という絵の前で、パルティータ第2番ニ短調を弾いてもらえますか」という怖いもの知らずのお願いから始まった冒険も一先ず終わりを迎えました。私の中でも長らく記憶に残りそうな個展になったと思います。私のスケッチブックは真っ白ですが、様々な野望や次回作への強い想いもあります。これからもお付き合いください。宜しくお願い致します。

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絵画と音楽の融合 ヴァイオリン:後藤典子

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埼玉新聞2015/12/22

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毎日新聞埼玉版2015/12/19
















2015年12月18日 (金)

「パルティータ第2番ニ短調」と共に

絵画展「パルティータ第2番ニ短調」開演しました。
無伴奏チェロ組曲が響く空間に、光が差し込む。

前夜、それは前夜祭的な雰囲気ではなく、試合の前夜的な静寂の中で、ベートーヴェンの交響曲第5番第1楽章が背中を押し続けた。生乾きの絵は一つもないが、呼吸を続けるパルティータ第2番ニ短調。細部に宿るものは何であろうか。運命の響きに耳を傾き続けていた。

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モースの足跡

熊谷ルネッサンスの1年間の締めくくりは、熊谷とエドワード・シルベスター・モースの足跡と第九。厳しく分け隔てていたものを、再び結び合わせる。

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2015年12月 8日 (火)

実存は本質に先立つ超絶技巧協奏曲、貴惣門。

熊谷ルネッサンス。実存は本質に先立つ超絶技巧協奏曲。彫物師の実存を明らかにする貴惣門の光の先へ。サルトルに委ねる試み。あるいは企み。

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パルティータ第三番的エセー

2004年5月29日、私が属していた同人誌にて発表した「パルティータ第三番的エセー」。21歳の尖り感がよく分かる。その当時からパルティータと向き合っていたということに改めて気づく。ベートーヴェンは「運命」と「田園」という性格の違う双生児的な交響曲を生み出したが、それはバッハの場合のパルティータ第2番と第3番の関係性と好対照に思える。

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500回紡ぐ。

 利根川を挟む熊谷と太田は、歴史的交流も長く、双方が文化的な影響を受けている。松茸道中にしても、それは対岸の火事のような冷淡なものではなく、天の川を挟む対岸への温和な想いにも似ているかも知れない。先般から話題になっている太田の美術館構想やアカデミーオーケストラの試みを対岸から見ていると、熊谷も文化的な側面から参考になる点や頑張らなくてはと意識付られる点が多々ある。そんな中、太田市役所ではロビーコンサートを開催し、11月25日に500回を迎えるとの報道が。新聞記事にも紹介され、なんと個展で演奏してくれる後藤典子先生が写真のセンターを張っているではないか。まさに500回記念の祝典協奏曲。

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そして、ロビーコンサート500回記念のコンサートへ。ギャラリー、メディアも多数。親しみやすい音楽で、会場の一体感があった。市長さんの挨拶によると、阪神大震災の時の壊滅的な場面、デパートのロビーにあった1台のピアノが多くの人に勇気を与えたという逸話がコンサートの発端になったとのこと。そして、500回。本当に素晴らしい演奏会だった。

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