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2014年8月 3日 (日)

366日


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365日あるいは366日の繰り返し。私達は少しずつその最後の時に向けて歩みを続けている。キェルケゴールが思考したことの一つに時間がある。時間と共に生きる私達という主題である。私達は楽しいと思う時間がすぐに過ぎ去ってしまうことを知っている。その逆に、私達は辛く苦しい時間がなかなか進んでいかないことも知っている。キェルケゴールは楽しく早く過ぎ去っていく時間より、苦しくなかなか進んでいかない時間が重要であると語っている。楽な方法、効率的な方法に重きを置く考え方より、あえて苦しみ、あえて長引かせる時間に本当の人間の姿を見ている。実存主義はショーペンハウアーのように苦を超越した先にあるいわば仏教的な涅槃に着地点を見る場合もあるが、私がキェルケゴールから共感する一つに、この時間論のように、あえて苦に身を置く、幸福な中でも苦の思考を忘れてはならないという解釈がある。人間は幸せになること。人間は前向きに捉えていくこと。このことに真実を置く思考に誤りはないだろう。しかし、全ての人間が幸福を目指そうという働きかけの中で、全ての人がその場所に辿り着くとは限らない。そんな時、あえて苦に身を置く、苦の思考を続ける。それでも報われない。それでも更に深い闇に落ち込む。そのようなことを真摯に受け止める哲学があってもよいのではないか。キェルケゴールは、幸せが全てではない、成功が全てではない、それでも信じていこうということを私に伝える。一つの喜びや嬉しさに向き合った時、その裏側に苦しみや無念さがあることを忘れないようにしたい。世界はそんな単独者同士が、「離れすぎず」、「動きすぎず」に作り上げていくものなのであろうから。キェルケゴールは当たり前の世界観をまず疑い、社会の実情を批判しながら、負の世界に光を当てるように、優しく語り掛けるのである。













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